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韓国デザイン保護制度の主な改正事項

  • December 30, 2025
  • 李姃垣弁理士 / 趙埈瑩弁理士

改正された韓国デザイン保護法およびその下位法令が、2025年11月28日より施行された。主な改正内容は以下のとおりである

 

 

▶ 部分デザインに係る物品の名称として「部分の名称」の使用を許容

 

部分デザインの物品の名称に関する記載要件が緩和され、出願人は「部分の名称」を物品の名称として使用できるようになった。

従来は、部分デザインであっても物品全体の名称を記載する必要があり、例えば「カップの取っ手」のみを保護対象とする場合であっても、物品の名称は「カップ」と記載しなければならなかった。しかしながら、改正後は、出願人が物品の名称として「カップ」または「カップの取っ手」のいずれかを自由に選択することが可能となった。 

 

 

▶ デザイン出願書の記載項目の簡素化

 

デザイン出願書における記載項目も全体的に簡素化された。

部分デザインに該当するか否かは、図面および説明から容易に判断できるため、出願書において、部分デザインの該当有無を示す項目が削除された。また、「創作内容の要点」の項目も併せて削除された。 

 

 

▶ デザイン一部審査登録出願に対する審査の強化

 

デザイン一部審査登録制度は、先行デザイン調査に基づく新規性及び先願違反の判断など、一部の実体的要件の審査を省略し、主として形式的要件について審査を行うことにより、流行周期の短い物品の審査期間を短縮する目的で導入された。しかし、本制度を悪用し、既に広く知られているデザインや、取消または消滅したデザインと同一のデザインを再登録しようとする事例が増加し、制度の見直しが継続的に指摘されてきた。

そこで、改正法では、一部審査の対象となるデザインであっても、新規性の欠如または先願違反が明らかである場合には、審査官が当該出願の登録を拒絶できる明確な法的根拠を設けた。 

 

 

▶ デザイン一部審査登録に対する異議申請期間の拡大

 

デザイン一部審査登録に対する異議申請制度の活用可能性が大幅に拡大された。

従来は、デザイン一部審査登録に対する異議申請が登録公告日から3か月以内に限って可能であったため、制度の実質的な活用に制約があった。改正後は、侵害通知を受けた場合、該通知を受けた日から3か月以内(ただし、登録公告日から1年以内)であれば、異議申請を提起できるようになった。 

 

 

▶ デザイン権移転請求制度の導入

 

無権利者が不当に登録したデザイン権を、真の創作者が直接回復できるようにするデザイン権移転請求制度が新たに導入された。

従来は、第三者が他人のデザインを盗用して不正に登録した場合、正当な権利者はそのデザイン権を無効にした上で、再度出願して登録を受ける必要があった。しかし、改正後は、正当な権利者が法院にデザイン権の移転を請求し、そのデザイン権を自己名義に直接移転することが可能となった。